第四章

4−2

何時間も歩きました。この森の深さには際限がないようです。

しばらくしてコックスは池のほとりに腰を下ろしました、「今日はもう遅いからここで野宿をしよう」
カエルは手を打ち喜びました、「そいつはいい」
カエルはせっせと薪を集めました。タルトもお手伝いで薪を拾うとカエルがいちいちその薪に点数をつけてくれました。

「こいつは小さすぎるけどかたちがいいから90点」どれも軒並み高得点でタルトは嬉しくなり山のように薪木を集めました。
「お前何泊するつもりだよ」とカエルは大きく口を180度は開き笑っていました。

3匹は焚き火を囲み冷えた体を温めました。カエルが持っている鞄にはなんだって入っています。三個の缶詰をコックスの歯で開けて食べました(小さなカエルサイズでしたけど)

小さな缶詰を爪で摘みながらコックスがポツリポツリと先ほどの出来事をカエルに話し出しました。カエルはギターを弾くのをやめ真剣に聞きました。

「っていうわけさ、自分のしたことは間違っていない。後悔はしていないよ。」
タルトの方をちらりとみながら
「たしかにこの子は悪いことをしたけど、死刑にされるようなことじゃない。何であいつはそんなこともわからないんだろう。たかがケーキとスネの問題だ。」
コックスは自分を納得させるように言いました。
「とにかくこの子、タルトを家まで帰して上げたいんだ」

「ふーん。そうなんだ」歯のあるカエルは肯定も否定もしません、起きてしまったことに理由をつけることがあまり好きではないのです。
「今やるべきことが決まっているのならとりあえずは良かった。早くこの子を帰してやろうぜ」

カエルはタルトの方を見て言いました。「さて、問題はお前さんだ。いったいどこからきたんだよ?」
顎をさすりながらタルトの周りをくるりと回ると
「ゲコ?おい見てみろよコックス」
カエルは目一杯手を伸ばしタルトのあばらにひっかかた葉っぱを一枚取り出しました。
「この葉っぱ、初めて見たぜ!俺はこの島の植物には詳しいんだ。ここにこんな植物はないぞ」

コックスもタルトの体を調べると色々なゴミや汚れがついていることに気が付きました。
タルトを逆さにして降ると、この島では見たこともないようなゴミがたくさん出てきました、最後には小さな川魚まで。

思わず魚に飛びついたカエルは言いました。
「こいつはひょっとしたら何処かから流されて来たんじゃないか?」

つづく(不定期更新)

 

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