童話 【童話】タルトと赤いスカーフの虎 8 第五章 5−1 いちどタルトが流れ着いた場所に行ってみようということになり3匹は朝早く準備をし出かけました(歩いているのは実際はコックスだけですがね) 川から流れてきたのなら逆方向に向かえばタルトの元いたところに戻れるだろうと思ったからです。 朝の森は美しく、森のオーケストラである鳥や虫たちも楽しそうに生命の歌を奏でて... 2021年6月1日 jon covet
童話 【童話】タルトと赤いスカーフの虎 7 第四章 4−2 何時間も歩きました。この森の深さには際限がないようです。 しばらくしてコックスは池のほとりに腰を下ろしました、「今日はもう遅いからここで野宿をしよう」 カエルは手を打ち喜びました、「そいつはいい」 カエルはせっせと薪を集めました。タルトもお手伝いで薪を拾うとカエルがいちいちその薪に点数をつけてくれまし... 2020年12月29日 jon covet
童話 【童話】タルトと赤いスカーフの虎 6 第四章 4−1 岩の砦から逃げ出し遠くまできたコックスは走るのをやめまだ寝ているタルトを背中に乗せたまま森の中をトボトボ歩きだしました。 「あーあーとんでもないことになっちゃったぞ・・・」 するとバイオリンの旋律と共に1匹の歯のあるカエルが茂みから飛び出してきました。 「おいコックスどうしたんだよ、しんみりした顔してよ... 2020年12月20日 jon covet
童話 【童話】タルトと赤いスカーフの虎 5 第三章 3−2 くんくんとあまり効かない鼻を頼りに食べ物を探しているとドタドタ「忙しい忙しい」と豚が廊下を走ってきました。 「なんだお前は!こんなところで油を売りおってなにをしている!?」優しさのかけらもなくその豚はタルトに言いました。 タルトは何か勘違いしている豚の態度にビックリしてしまいました。と同時に腹が立ちその... 2020年11月8日 jon covet
童話 【童話】タルトと赤いスカーフの虎 4 第三章 3ー1 「おーいコックス君でねえか?」走るコックスは声をかけられたことに気が付き急停止しました(勢いでタルトの首が取れてしまったけどそれはすぐに解決しましたよ) 「ああなんだガーさんか?」さっきまでの優しいコックスとは雰囲気が少し変わりました。 コックスにガーさんと呼ばれる大きなガチョウは首を振りながら茂みから... 2020年9月22日 jon covet
童話 【童話】タルトと赤いスカーフの虎 3 2ー2 地面に転がったタルトの目の前には大きくてたくましい1匹の虎が頭と胴体の分かれた蛇を睨んでいます。驚いたことに蛇は(頭の方ですが)バタバタと身体をうねらせて森の茂みの奥に逃げて行きました。残された八股部分はもう動かなくなっていました。 「危ないところだったね」 緊張が解けた虎は大きくため息をし額の汗を拭いながら... 2020年9月13日 jon covet
童話 【童話】タルトと赤いスカーフの虎 2 第二章 2ー1 ここはバカげたほどの大量の水の勢いも弱まった遠く離れた場所。 鬱蒼と木々が茂るジャングルから倒れた一本の巨木の枝の先に何か赤い布が引っかかっています。 「ブクブク」 よく見るとそのスカーフの先にまた続きがあるみたい。それは川に流されてしまったタルトでした。お気に入りの赤いスカーフが木に引っ掛かかっていた... 2020年8月23日 jon covet
童話 【童話】タルトと赤いスカーフの虎 1 その街は太陽が素通りし一年中が夜だった。 街といったが正確な大きさは誰も知らない。小さく狭いという人もいれば(人?)途方もなく広大で大きいという者もいる。とにかく誰もそんなことに興味もないしそこに太陽が登らない街がある、わかっているのはこれだけ。それで今は十分。 その街を照らすのは普段僕らが見る月とは違う雰囲気の怪... 2020年8月16日 jon covet